接続詞の文 part2 (従属接続詞)

接続詞の文 part2 (従属接続詞)

<前回の復習>  


等位接続詞: 語と語、句と句、文と文というように同じ種類のものを対等の関係で結ぶ
         働きをするもの。

         and(そして、〜と) , but(しかし) , or(それとも) , so(だから、それで)


1 語と語をつなぐパターン

   I bought a book and a CD yesterday. 
   「私は昨日本とCDを買いました」


2 句と句をつなぐパターン

   Tom saw a boy under the tree and a man in the car.
   「トムは木の下にいる少年と車の中にいる男の人を見ました」


3 文と文をつなぐパターン

   It was very cold yesterday, so I stayed home all day.
   「昨日はとても寒かった、だから私は一日中家にいた」


4 特別な使い方

   命令文+and 〜 〜しなさい、そうすれば
   命令文+or 〜 〜しなさい、さもないと

   Get up early, and you can catch the first train. 
   「早く起きなさい、そうすれば始発電車に間に合います」

   Get up early, or you will be late for school.
   「早く起きなさい、さもないと学校に遅刻します」


<今回の内容>   「従属接続詞」

《基本文》  When I went to Australia, I enjoyed swimming there.

「私はオーストラリアに行ったとき、そこで泳ぎを楽しみました」


<解説>

こんにちは、それでは今回の内容の解説をしていきましょう。
今回は前回の「等位接続詞」に引き続き、『従属接続詞』というものです。


名前だけを聞くと少し難しく感じるかもしれませんが、
しっかり自分の頭を使って考えてくれれば理解できます。


頑張ってくださいね。
それでは説明します。


まずは質問です。


なぜ『従属接続詞』なんていう名前が付いたのでしょう?


この言葉の意味が分かれば、より深く理解できるようになるのでちょっと
我慢して考えてみてください。


<従属接続詞って何?>


「従属」という言葉の意味は「従って、属する」
つまり簡単に言えば 『家来(けらい)、または子分』 みたいなものです。
今回の基本文をちょっと見てみましょう。


例1) When I went to Australia, I enjoyed swimming there.

    「私はオーストラリアに行ったとき、そこで泳ぎを楽しみました」


よく見てみると文の真ん中あたりにカンマ( , )がありますね。
これはこのカンマを境にして左と右の二つで内容が分かれているという
ことなんですよ。


元々は下のような2つの文が「When」という接続詞でくっついたということ
です。


ちなみに後でもう一度解説をしますが、「When」というのはこれまでは「いつ」
という疑問詞で覚えていましたが、ここでは新しい使い方で「〜の時」という
意味になります。



1 I went to Australia.     「私はオーストラリアへ行きました」

2 I enjoyed swimming there. 「私はそこで水泳を楽しみました」

              ↓

3 When I went to Australia,  /   I enjoyed swimming there.
 
「私がオーストラリアへ行った時」 / 「私はそこで水泳を楽しみました」



ここで先ほどの「従属」の話に戻ります。


上の3の文で左側の「カタマリ」には接続詞のWhenが入っています。
この「カタマリ」の意味は下に書いてあるように

「私がオーストラリアへ行った時」

という意味です。


次に右側の「カタマリ」は

「私はそこで水泳を楽しみました」

という意味です。


さて、ここでこれらの2つの「カタマリ」を比べてみてください。
右側の「カタマリ」はきちんとした、言い切りの形でこれだけでも文のように
なっていますね。


それに対して左の「カタマリ」は「〜の時」で終わっていて中途半端です。


この時、右側の言い切りの形になっている「カタマリ」の方を『主節』、
接続詞が入っている中途半端な「カタマリ」を『従属節』とよびます。


主節はその文で伝えたいことが書いてあります。
この例文の場合であれば


「私は水泳をたのしんだんだよ」


ということが一番伝えたいことなのです。



しかし、これだけでは文の内容に深みというか、情報量が少ないので、補足
説明として


「オーストラリアへ行った時のことなんだけどね」


ということを付け足しているのです。
つまり、まとめると次のようなことがいえます。



【主節と従属節の違い】

主節  :文を二つに分けた時に言い切りの形になっている「カタマリ」
     その文で一番伝えたい内容が書いてある。


従属節:二つに分けた時に接続詞を含んでいて、中途半端な意味になる
     「カタマリ」  主節を補足説明する。


主節(主人)は文の中心的内容を伝えているのに対して、従属節(家来)
は主節を補足する、助ける役割をしている。



ですから、これから出てくる従属接続詞を使った文を訳す時には、そのことを
しっかり考えて訳していくことが大切です。


ポイントは文を2つの「カタマリ」に分けること。


それではその分け方を今度は詳しく解説していきましょう。
先ほどの例文ばかりでは飽きてしまうので、ちょっと変えてみます。
次の文を見てください。


<文を2つに区切る>


例2) If you are hungry, let's go to the restaurant.

「もしあなたがお腹がすいているなら、レストランに行きましょう」


上の例文にある、「If」というのは「もし〜なら」という意味の従属接続詞
です。


この文を2つに分けるとどうなりますか?


答えはこうなります。


1 If you are hungry       「もしあなたがお腹がすいているなら」

2 let's go to the restaurant 「レストランに行きましょう」


分かりますよね?
これは上の例文をカンマのところで区切っただけです。


そして先ほどの復習をすると、1番が「従属節」で2番が「主節」という
ことになります。


ここでもう1つ例文を挙げてみます。
よーく見てください。


例3) Let's go to the restaurant if you are hungry.


さぁ、どうでしょう?


例2)の例文と比べてみてどこが違うのか分かりますか?
ここからが大切ですからしっかり考えてくださいよ。



例2) If you are hungry, /  let's go to the restaurant.

例3) Let's go to the restaurant /  if you are hungry



このように区切ると見やすくなったと思います。
つまり、例2)と例3)ではカタマリごとに前後が入れ替わっていたのです。


入れ替わったといっても文全体の意味が変わるわけではないですよ。
当然言っている意味は同じです。


しかし、ここでみんなにはいくつかしっかりと確認をしてもらいたいこと
があるのです。
それはこのような内容です。



『例2)の場合はカンマの前後で2つに分ける。
例3)の場合は接続詞の前で2つに分ける』


ということです。


カンマが入っている時は間違えないけども、例3)のように接続詞を含んだ
カタマリが後ろに来る時にどこで切るのかを間違える人が多いです。
気をつけましょう。


大切ですからもう一度くりかえしますが、



『文の途中に接続詞が来る時には、接続詞の前で切る!』
    
    (接続詞は後ろとカタマリを作る)



ということをしっかり覚えておいてください。


それでは次に従属接続詞にはどんなものがあるのかを確認してみましょう。


<従属接続詞の種類>

従属接続詞には次のようなものがあります。

時間に関するもの 条件に関するもの 理由に関するもの
when 〜の時 if もし〜ならば because 〜なので
before 〜する前に as 〜なので
after 〜したあとで
while 〜している間
as soon as 〜するとすぐに



それではここで少し練習問題をしてみましょう。

<練習問題>

次の文を日本語に訳しなさい

1 When I was a child , I lived in America.

2 I like my brother because he is kind to everyone.

3 I'll help you if you are busy.



<解答と解説>

それでは解説をしていきましょう。


1 When I was a child , I lived in America.


まずは1番です。
この文は非常に基本的な文です。


これまでお話をしてきたようにこの文は2つのカタマリに分けることができます。
カンマがあるときにはカンマの場所で、文の途中に接続詞がきている時には
接続詞の前で分けられるのでしたよね?


この文の場合はカンマが入っているので、そこで2つに分けてみましょう。
そうすると


When I was a child

I lived in America.


このようになります。


ここで日本語に訳す時のコツを一つ教えます。
それは


『接続詞が入っている方から訳すと日本語らしくなる』


ということです。


上の場合ですと、「When I was a child」の方から訳すわけです。
したがって正解は、


正解:「私は子供の時、アメリカに住んでいました」


(ポイント)  ・ 接続詞が入っている方から訳す
      
         ・ 「私は」は1つだけでよい  



2 I like my brother because he is kind to everyone.


続いて2番にいきます。
この文もまずは2つに分けてみましょう。


この問題の場合は接続詞が文の途中にきています。
こういった場合のポイントは何度も言いますが、


「接続詞の前で切る」


ということでした。
ですからこのように分けられます。


I like my brother              「私は私の弟が好きです」

because he is kind to everyone.   「彼はみんなに親切だから」

       ※be kind to〜 〜に親切


これを接続詞が入っている下の文から訳していくと日本語らしくなるという
ことを1番で言いましたが、ここでもう一つ注意があります。


それは上の日本語をそのままつなげてしまうとおかしな文になってしまう
のです。


「彼はみんなに親切だから、私は(私の)弟が好きです。」


この文の内容をよーく考えて読んでみてください。


本来「彼」と「弟」は同一人物のはずなのに、まるで別人のように聞こえま
せんか?


このような訳し方をしたのでは日本語訳としては×です。
ここで訳し方がおかしくなってしまった原因はなんでしょう?


英語では一度登場した名詞(人やものの名前をあらわす単語)をくりかえす時は
代名詞(最初に出てきた名詞を言いかえた単語)にかえます。


例えば「りんご」 → 「それ」のようにです。


この文では最初に「my brother」が登場していて、その後に同じ人を「he」で
言いかえています。


I like my brother because he is kind to everyone.


ですから、そのことを考えて日本語に直してあげなくてはいけないのです。
よって、正解は


正解:「私の弟はみんなに親切なので、彼のことが好きです」


(ポイント)   ・英語では一度登場した名詞は代名詞に変わるので、
          その点に注意して訳す。



3 I'll help you if you are busy.


それでは最後の問題です。
この問題も文の途中に接続詞がありますから気をつけて2つに分けて
みます。


I'll help you      「私はあなたを手伝います」

if you are busy   「もしあなたが忙しいなら」


これを接続詞が入っているカタマリの方から訳していきます。
これは単純につなげれば問題なくとけますね。



正解:「もしあなたが忙しいなら、私は(あなたを)手伝います」


今回はここまでです。


<今回のまとめ>

<従属接続詞>


従属接続詞とは・・・

1つの文が接続詞を含んだカタマリ(従属節)と、もう一つのカタマリ
(主節)に分けられる形をとる接続詞のこと

時間に関するもの 条件に関するもの 理由に関するもの
when 〜の時 if もし〜ならば because 〜なので
before 〜する前に as 〜なので
after 〜したあとで
while 〜している間
as soon as 〜するとすぐに


【主節と従属節の違い】

主節  :文を二つに分けた時に言い切りの形になっている「カタマリ」
     その文で一番伝えたい内容が書いてある。


従属節:二つに分けた時に接続詞を含んでいて、中途半端な意味になる
     「カタマリ」  主節を補足説明する。


主節(主人)は文の中心的内容を伝えているのに対して、従属節(家来)
は主節を補足する、助ける役割をしている。