現在完了形 part4 (完了・結果)

現在完了形 part4 (完了・結果)

<前回の復習>

現在完了形 〜経験〜
<経験用法のポイント>
『have + 過去分詞』
意味 『〜したことがある』



経験用法で使われる副詞 
文の最後につける言葉 過去分詞の前につける言葉 熟語として覚えよう
before 以前は never 一度も〜ない have been to 〜 〜へ行ったことがある
once 一度、かつて ever 今までに How many times 〜? 何回〜
twice 2回、2度 often よく、しばしば How often 〜?
〜times 〜回、〜度



「have been to 〜」   (〜へ行ったことがある)

※「go」という単語が出ていないが、「行く」という意味になるので注意



How many times 〜?  「何回〜」
How often 〜?      「何回〜」


“意味は同じで単純に文字数の違い!”



How many times have you read the book?
How often have you read the book?

※どちらも同じ意味で2文字で言うか、3文字で言うかの違い
   


例文)

I have visited Kyoto twice.
「私は2回京都を訪問したことがあります」


She has used this computer before.
「彼女は以前にこのコンピュータを使ったことがあります」


He has never climbed that mountain.
「彼はあの山に一度も登ったことがありません」


I have been to America before.
「私は以前アメリカに行ったことがあります」



<今回の内容>

《基本文》     He has gone to America.

    「彼はアメリカへ行ってしまいました(だから今ここにいない)」


<解説>


さて、今回は前回までの現在完了形の「継続」「経験」に続いて、
「完了・結果」という使い方をお話していきます。


これで一通りの使い方は全て出つくしたことになりますが、現在完了は大切なので、
それ以外にも注意していくべきところを今後数回にわたって解説していきます。


それでは今回もはじめていきましょう。
友梨ちゃーん!



友: はーい、カナメ先生こんにちは。



カ: こんにちは。
   今回は現在完了の「完了・結果」という最後の用法を勉強していくよ。



友: はい、お願いします。


<現在完了 「完了・結果」>



カ: 前回までに「継続」と「経験」という使い方を勉強して来たよね。



友: はい。
   継続は「(ずっと)〜している」で、経験は「〜したことがある」という意味
   でしたよね。



カ: そうだね。
   また、その中では特有の決まった言葉が使われていて、それが用法を見抜く
   キーワードにもなっていたんだよね。



友: そうそう、そうでした。
   でも、どっちの使い方でも英語では「have(has)+過去分詞」という形になるの
   でしたよね。



カ: そうだよ、そして今回の「完了・結果」という用法でも同じことが言えるんだよ。

 
   ちょっと今回の用法をまとめてみるよ。



友: はい。


現在完了の「完了・結果」
have(has)+過去分詞
意味 「〜したところです」「〜してしまった」
よく使われる副詞
just ちょうど
already すでに、もう(肯定文のみ)
yet もう(疑問文)、まだ(否定文)




カ: 上の表を見てもらえば大体のことはもう分かるでしょう。
まず、形はやっぱりいつもの


「have(has)+過去分詞」


そして訳し方、つまり意味は


「〜したところです」「〜してしまった」   



どちらでもうまく当てはまる方を使うようにすれば大丈夫だよ。
そして、この用法でよく使われる副詞は今回は3つだね。


ただ、ちょっと注意しておかないといけないものがあるから
それを解説しておこう。



友: そうですね、


already すでに、もう(肯定文のみ)
yet もう(疑問文)、まだ(否定文)



  というのがちょっと分かりずらいですね。



カ: そうでしょう、じゃあここのところを解説するよ。
次の文を見て。



You have already finished your homework.
「あなたはもう宿題を終わらせてしまいました」



この文は「already」という単語を使った文だよね。


意味はさっきの「〜してしまった」を使って訳せばいいんだけど、
この「already」という単語は実は肯定文でしか使えないんだ。
大切だからもう一度言うよ。


“「already」という単語は実は肯定文でしか使えない”


分かった?



友: ・・・分かりましたけど、じゃあこの文が否定文や疑問文になったら
どうなるんですか?




カ: うん、そこが肝心なんだよね。
今の文を否定文と疑問文にするとそれぞれこのようになるよ。



肯定文: You have already finished your homework.
「あなたはもう宿題を終わらせてしまいました」

否定文: You haven't finished your homework yet.
「あなたはまだ宿題を終わらせていません」

疑問文: Have you finished your homework yet?
「あなたはもう宿題を終わらせてしまいましたか」

Yes, I have.      / No, I haven't.(Not yet.)
「はい終わらせました」 / 「いいえまだです」



どう、この例文をみて気づいた?
否定文と疑問文では「already」が「yet」に変わっているでしょう?


しかもその時の日本語訳は、



否定文の時には → 「まだ」
疑問文の時には → 「もう」



というように意味に違いがある。



しかも、入れる場所は、



「already」 → 「過去分詞の前」
「yet」    → 「文尾(文の最後)」



というようにかなりの違いが出てくるんだよ。



友: ずいぶん色々なところが変わるんですね。



カ: そうだよ。
だから次のような問題の時には気をつけてね。



(問題)

次の指示にしたがって文を書きかえなさい。

He has already eaten breakfast.(否定文)



上のような問題の場合、さっき話したことがよく分かっていないと“否定文”
という指示にだけ気をとられて、



「否定文は主語の後ろにnotを入れるんだったな」



とそこだけしか考えないで、

「He hasn't already eaten breakfast」
×

なんてしてしまうからね。
当然正解は、



He hasn't eaten breakfast yet.
(彼はまだ朝食を食べていません)

だよ。



友: あ〜、そうですね。
気をつけよう。



<have(has) gone to 〜の文>




カ: ところで、今回はもう一つ話しておきたい内容があるんだよ。
それは、   


「have(has) gone to 〜」という表現


これは、「〜へ行ってしまった」という言い方なんだけど、例文をみてみよう。



例文) He has gone to America.
「彼はアメリカへ行ってしまいました(だから今ここにいない)」



上のような例文が有名で、「〜へ行ってしまった」というだけでなく、
「だから今ここにはいない」という意味の方がむしろ大切なんだよ。


例えば、カナメが友梨ちゃんの家に遊びに行ったとするでしょう?



友: え〜、カナメ先生がうちに来るんですか〜?
やだー!



カ: いやいや、だから例えだから。
大丈夫だよ、実際には行かないから。



友: あー、それならいいです。
続けてください。



カ: (ふー、)でね、そのときに



「ピンポーン、友梨ちゃんいますか〜?」



って友梨ちゃんのお母さんに聞いたら、お母さんが、



「あー、友梨は今買い物に行っちゃったわよ。」



って言ったとしたら、それは『今家にはいないですよ』ということ
を言っているわけでしょう?



友: あっ、そういうことですよね。



カ: そうだよね。
この言い方はその


“裏に隠れた意味”


が大切なんだよ。ということを言いたかっただけなんだよ。



友: よく分かりました。



カ: 分かってくれたみたいで嬉しいよ。
じゃあ最後の最後に、似た表現の「have been to」との違いだけ解説して
終わりにしよう。




1 He has been to America.

2 He has gone to America.




これらの2つの文は似ているけど、意味は全然違うから気をつけてね。


1 「have been to 〜」 → 「〜へ行ったことがある」
2 「have gone to 〜」 → 「〜へ行ってしまった
(だから今ここにいない)」



1番の文は「彼はアメリカに行ったことがある」という文だから
今もアメリカにいるわけではないよね。


これはあくまでも「これまでの間にアメリカに行った経験がある」という意味だから、
今はもう日本に帰ってきているか、または、他の国に行ってしまっているかもしれ
ないよね。


いずれにしてもアメリカにはいないんだよ。



それに対して2番の文は、さっき説明したように「今はアメリカにいる真っ最中」なんだ
よね。



そこが違うから気をつけてね。



友: はい、分かりました。



<今回のまとめ>


現在完了の「完了・結果」
have(has)+過去分詞
意味 「〜したところです」「〜してしまった」
よく使われる副詞
just ちょうど
already すでに、もう(肯定文のみ)
yet もう(疑問文)、まだ(否定文)


注意すべき点 1  「already」は肯定文でしか使えない。
             疑問文と否定文では「yet」に変える。


   肯定文: You have already finished your homework.
         「あなたはもう宿題を終わらせてしまいました」

   否定文: You haven't finished your homework yet.
         「あなたはまだ宿題を終わらせていません」

   疑問文: Have you finished your homework yet?
         「あなたはもう宿題を終わらせてしまいましたか」

         Yes, I have.      / No, I haven't.(Not yet.)
         「はい終わらせました」 / 「いいえまだです」


   ※「already」 → 「過去分詞の前」
     「yet」    → 「文尾(文の最後)」



注意すべき点 2   「have(has) gone to 〜」  〜へ行ってしまった
                               (だから今ここにいない)


       He has gone to America.
       「彼はアメリカへ行ってしまいました」
       (だから今ここにいない) 

       He has been to America
       「彼はアメリカに行ったことがある」
       (今もアメリカにいるわけではない)