受動態 part2 (byの省略)

受動態 part2 (byの省略)

<前回の復習>


Q: 受動態とは?

A: 受動態とは立場(主語)をかえた言い方のこと



Q: 受動態の基本形とは?

A: 受動態: 「be動詞 + 過去分詞」
  
   意味  :  「〜される、された」



Q: 能動態から受動態をつくる手順は?

A: 

受動態の作り方 ( 例文: Everyone loves Yuka. )
1 能動態の文の目的語(〜を) を受動態の主語にする。
(上の例では 「結加を」 が目的語)
Yuka
(結加は)
2 その主語の後ろに 「be動詞+過去分詞」 を入れる。
(上の例では能動態で loves が使われているので過去分詞は loved になる。
基本的に規則動詞は過去形と同じ形)
Yuka is loved
(結加は愛されています)
3 その後ろに 「by+能動態の主語」 を続ける。
(by は 「〜によって」 という意味になる)
Yuka is loved by everyone.
(結加はみんなに愛されています)





<今回の内容>

《基本文》    English is spoken in America.
  
          「英語はアメリカで話されています」




<解説>


みなさん、こんにちは。


前回は中学3年生の第1弾として「受動態」という単元に入りました。
基本は覚えていますか?


今回は内容を進めて「by を省略する場合」というのを説明します。
それでは早速結加ちゃんに登場してもらいましょう。
結加ちゃ〜ん。


結: は〜い、こんにちは。



カ: 結加ちゃん、前回勉強した受動態の基本は覚えているかな?



結: はい、普通の言い方の立場を逆にした言い方ですよね?
   たしか、「〜される」っていう日本語になるやつですよね?



カ: そうだよ。基本的な形は覚えてる?



結: え〜と、「be動詞+過去分詞+by」でしたよね。
   過去分詞は規則動詞の場合、過去形と同じ「ed」になるっていう。



カ: そうそうよく覚えているね。
   でも今回はその「by」が省略される場合っていうのがあるから
   それを勉強するよ。



結: え〜そうなんですか。
   わかりました。じゃあ始めましょう。



<by を省略する受動態>




カ: まずは前回の例文を一つ挙げて簡単に復習をしていこう。


   Kaname uses the car.     「カナメはその車を使います」

        ↓

   The car is used by Kaname. 「その車はカナメによって使われます」

 
   上の例文は前回にも解説した文だよね。
   この文の下線部をみてほしいんだけど、まずは受動態の決まりで
   「be動詞+過去分詞」になっているよね。


   その後ろには「by」があるけど、この「by」は「〜によって」という意味でした。



結: はい、そこは大丈夫です。
   「カナメ先生によって」という意味にするから「by Kaname」となるんですよね。



カ: そうだよね。
   じゃあ、そこまでの確認ができたらちょっとその例文は置いといて、
   次にこの文を考えてみよう。


   They speak English in America. 「彼らはアメリカで英語を話します」


   はい、この文を受動態に変えてみよう。



結: え〜と、前回教えてもらったことから考えると・・・
   まずは「〜を」になっているものを主語にするんだから・・・



カ: そうそう、「〜を」というのは、能動態の目的語だよね。
   これを受動態の主語にもってくるよ。
   いいね、それで?



結: 「English」で始めて、その後ろに「be動詞+過去分詞」だから・・・
   あれ? 「speak」の過去分詞って何ですか?



カ: 「speak」の過去分詞は「spoken」だよ。



結: あっ、そうか。
    じゃあ・・・

   English is spoken by them in America. 
  
   ですね!



カ: う〜ん、そうね。
   前回までの考え方でいくとそうなるよね。


   でもね、実はちょっとそれでは違うんだよ。
   まぁ、間違いとは言えないかもしれないけど、普通はそうは言わない。
   少なくともテストでは×になってしまうんだよ。



結: え〜、だってこないだ先生がそういったじゃないですか〜。
   頑張って「by they」といいそうだったところを「them」と目的格にしたのに〜。



カ: そうだね、それは頑張ったと思うんだけど、実はその「by them」がいらない
   んだよ。




結: えっ、いらないんですか! なんでですか?
   前回は「by の後ろに能動態の主語を入れる」って言ってましたよね。



カ: はい、たしかにそう言いました。
   でもね、今回のような場合はいらなくなるんだよ。
   いい、最初の文と今の文をもう一度みてごらん。

   
   The car is used by Kaname. 
   「その車はカナメによって使われます」

   English is spoken by them in America. 
   「英語はアメリカで彼らによって話されている」


   この2つの文で決定的に違っているところがあるんだけど、なんだか分かるかな?



結: ???
   違っているといえば、内容が全く関係ないから全然違うといえるし、
   同じといえば、同じ受動態だから同じだと思うんですけど・・・



カ: 特に「by〜」の部分に注目してご覧。
   何かに気づかない?



結: 「by Kaname」と「by them」ですか?
   う〜ん、そうですね。

   「by Kaname」はカナメ先生一人だけで、「by them」はたくさんの人を指しているとか?



カ: あ〜、ちょっと惜しいかな。
   


結: もう、もったいぶらないで早く教えてくださいよ〜。



カ: はい、では正解を教えましょう。
   

   The car is used by Kaname. 
   「その車はカナメによって使われます」


   この文の場合は「by Kaname」がないと誰によってその車が使われているのか
   が分からなくなってしまうけど、


   English is spoken by them in America. 
   「英語はアメリカで彼らによって話されている」   


   この文の場合はたとえ「by them」がなくてもアメリカで英語が話されているのは、
   「アメリカにいる人たちによって」ということは分かる。

   つまり、「by them」の方はいちいち言わなくても分かるってことだよ。
   


結: あ〜、そうか。
   たしかにそこが違っています。



カ: そして、そのように


    “言わなくても想像がつく場合は省略する”


   というルールがあるんだ。


   一般的には「by them」「by us」「by people」は省略するよ。
   だからさっきの文も普通は次のような言い方になるよ。


   English is spoken in America. 「英語はアメリカで話されている」
             ↑
         (by themが入っていない)  



結: なるほど、分かりました。
   他にはどんな文が考えられますか?



カ: 他にはこんな例文だと分かりやすいかな。  
   

   They open the shop at eight every day.
   「彼らは毎日8時にお店を開けます」

   The shop is opened at eight every day.
   「その店は毎日8時に開けられます」



   この文の内容を考えてみよう。
   店を開けるのって誰?



結: それはお店の人です。



カ: だよね。
   まさか、「その店は毎日8時に開けられます」といってもたまたま通りがかった人が


   「あっ、8時だ!お店を開けなくちゃ」


   ってシャッターを開けるわけがないよね?
   つまり、お店を開けるのはお店の人だと言わなくても当然分かるんだよ。


   だから、そういう場合は「いちいち言わないで省略する」ということになるわけ。

   
   分かった?



結: はい、分かりました。



カ: よし、それじゃ今回のまとめをして終わりにしましょう。            



<今回のまとめ>


「byの省略」


誰によってなされるのかが言わなくても分かる時にはいちいち「by 〜」とは言わない。

このパターンになるのは「by them」「by us」「by people」などがある。



例1)  They speak English in America.  「彼らはアメリカで英語を話します」
             ↓
      English is spoken in America.   「英語はアメリカで話されています」

     * アメリカで英語を話すのはアメリカにいる人  
       (アメリカ人だけではない)


    
例2)  They open the shop at eight every day.  「彼らは毎日8時にお店を開けます」
              ↓     
     The shop is opened at eight every day.   「その店は毎日8時に開けられます」

     * お店を開けるのはお店の人

     ※どちらの文も「by them」を入れない