分詞 part4 (過去分詞)

分詞 part4 (過去分詞)

<前回の復習>


現在分詞を含んだ表現は、文の一部となって使われる。


例)

    I    / can see / the running dog.  
  「私は  / 見えます / 走っている犬が」
  (主語)  (動詞)     (目的語)
  
  

   I    / can't see  / the bird flying in the sky.
  「私は / 見えません / 空を飛んでいる鳥が」
  (主語)  (動詞)       (目的語)



  The girl sleeping on the bed  / is  / my sister.
  「ベッドで寝ているその少女は  / です / 私の妹」
       (主語)           (動詞) (補語)


   I    /  know    / that boy running after the dog.

   「私は / 知っています/ 犬の後ろを走っているあの少年を」
   (主語)   (動詞)          (目的語)


<今回の内容>


《基本文》         the broken chair

               「こわれたイス」




<解説>


前回までで現在分詞の場合にはどのように英語で言ったらいいのかをお話しました。


前回までの現在分詞の使い方が理解できていたら、今回の過去分詞の場合も
基本的には同じなので、すぐに分かると思いますよ。


ただ一点注意するところは、


『過去分詞の場合は、現在分詞の場合よりもより気をつけて日本語に訳す』


ということです。
今回はそのあたりもお話していきますね。
それでは今回も美緒ちゃんに登場してもらいましょう。



美緒ちゃーん!

<過去分詞の使い方>


美: はーい、こんにちは。




カ: 前回までの内容は覚えているかな?
今回は、前回の現在分詞の続きで過去分詞だよ。
過去分詞というのはこれまでに、


“現在完了形” と “受動態”


で出てきたんだけど、覚えているかな?




美: なんか、少しなら覚えています。
「gone」とか「done」とかがあった気がします。




カ: そうだね、それは不規則動詞の「go」と「do」の過去分詞だね。
不規則動詞は過去形と同様に地道に覚えていってもらいたいんだけど、
規則動詞のときはどうだったか覚えているかな?




美: 規則動詞っていうのは、過去形が「ed」になる動詞ですよね。




カ: そうだよ、それの過去分詞はどうなるんだったかな?




美: えーと、あっ!
思い出しました、たしか過去形と同じ「ed」をつけたんだ!




カ: そう、よく覚えていたね。
規則動詞の場合は、過去形も過去分詞も「ed」をつければいいんだったよね。
ここで、「show」は注意が必要だよ、これは



「show - showed - shown」



という変化をするから、過去形が「ed」なので一見“規則動詞”のように見えるけど、
過去分詞は違う形になるからこれは“不規則動詞”に入るからね。




美: はい、分かりました。




カ: じゃあ、次の英語を見てくれるかな。


「the broken chair」

こわれたイス


まず、「broken」は「break」の過去分詞で、「こわされた」という意味になるんだよ。


この「broken」は後ろの「chair」を修飾(説明)しているんだけど、このときに、
「こわされたイス」とは訳さないように気をつけてね。


過去分詞の時は現在分詞の時よりもより気をつけて日本語に訳してね。
ポイントは、


“日頃使っている日本語らしく訳す”


だからこの例でも、「こわされたイス」というよりも「こわれたイス」や「こわれているイス」
の方が自然だね。




美: でも誰かに壊された場合もあるんじゃないですか?
そういう場合でも、「こわされたイス」って訳しちゃいけないんですか?




カ: いや、別に「こわされたイス」と訳しちゃいけないといっているわけではないんだよ。


カナメがいっているのは、過去分詞の意味は、「〜された」だから常に「〜された」と
訳すのではなくて、もっと自然な日本語に訳すことを忘れないでねということなんだよ。


だからこの例でも、「こわされたイス」で間違いになるわけではないから。


ただし、「〜された」というと明らかに日本語がおかしくなる場合は「〜された」を使わないで、
日本語らしい訳を考えてね。




美: あ〜、そういうことですか。
納得しました。





カ: では、次に現在分詞の場合と同じことを考えていきたいんだけど、
次の2つの例を見てみて。



the broken chair       「こわれたイス」

the chair broken by Ken  「健にこわされたイス」



はい、どんな違いがある?
現在分詞の解説を思い出してね。




美: えーと、上の例では、


こわれた    → イス
the broken  → chair


と、「こわれた」という過去分詞だけで「イス」を修飾している場合、
英語の語順は日本語と同じになっています。




それに対して、下の例では、


健にこわされた  → イス
the chair     → broken by Ken   


と「こわされた」以外に「健によって」が増えて「イス」を修飾している場合
英語の語順は日本語の逆になっています。




カ: そうだね、その点は現在分詞の場合と全く同じだから、しっかり押さえておいてね。


では、一つ練習問題をやってみよう。

<練習問題>



カ: それじゃ、次の日本語を英語に直してみて。


   (練習)

    1 撮られた写真

    2 久美に撮られた写真




美: えーっと、まずは1番の「撮られた写真」は、「撮られた」という過去分詞だけで
   「写真」を修飾しているから日本語と同じ順番になるんだよな・・・


   ということは、写真を撮るというときの「撮る」は「take」を使うから、過去分詞は
   「taken」になって・・・


   “the taken picture”


   でいいんですか?




カ: そうだね、今の考え方でいいよ。
   それじゃ2番の問題はどうなるかな?




美: そうすると、今度は「久美に撮られた写真」は、「久美に撮られた」が「写真」を
   修飾することになって、


   「撮られた」という過去分詞以外に、「久美に」という言葉が増えているから
   日本語と逆の順番で並べるはずだったなぁ。


   「久美に」っていうのは、「久美によって」ということだから、
   

   “the picture taken by Kumi”


   でどうですか?




カ: よし!
   それでいいよ。


   その考え方をしっかり覚えておいてね。
   次回は、この表現を利用して文章にしていくからね。




美: はい、分かりました。
   ありがとうございます。


カ: よし、最後に今回のまとめをしておこうね。


<今回のまとめ>


『過去分詞の使い分け方』



過去分詞だけで修飾する場合             → 日本語と同じ語順

過去分詞以外にも言葉が加わって修飾する場合 → 日本語と逆の語順



例)  

1 撮られた写真       → the taken picture

2 久美に撮られた写真  →  the picture taken by Kumi”




1番では「撮られた」という過去分詞だけで「写真」を修飾している

                  ↓

          英語の語順は日本語と同じ


2番では「久美に撮られた」という過去分詞以外の言葉も一緒に「写真」を修飾している

                  ↓

          英語の語順は日本語と逆