入試で大切な接続詞を含む連語2(so 〜 that ― can't, too 〜 to)

入試で大切な接続詞を含む連語2(so 〜 that ― can't, too 〜 to)

<今回の内容>

     
      The old man was so tired that he couldn't work.
     =The old man was too tired to work.

     (その老人は大変疲れていたので働けませんでした)


今回は入試問題では定番中の定番に入る書きかえ問題の解説をしていきたいと思います。それでは今回の内容を説明していきましょう。

「so 〜 that 主語 can't と too 〜 to の書きかえ」

 

主語が共通の場合

「so 〜 that 主語 can't と too 〜 to の書きかえ」をこれから説明しましょう。最初は基本になる「主語が共通のパターン」を解説していきます。この表現は私も中学生の時にはたくさん解いた思い出があります。

1つ目 「so 〜 that 主語 can't ―」
     「大変〜なので―できない」

例)The old man is so old that he can't work.

* 〜には大変何なのかを表す形容詞が入ります。
 例えば、「so old」(大変年をとっている)や「so cold」(大変寒い)など。

* 主語という部分には誰ができないのかを表す名詞が入ります。
 例えば、「he can't」や「she can't」など。

* ―には何ができないのかを表す動詞が入ります。
 例えば上の表現とあわせれば「he can't come」となれば(彼は来れません)
 「she can't swim」となれば(彼女は泳げません)となります。


2つ目 「too 〜 to ―」
     「大変〜なので―できない」

例)The old man is too tired to work.

* 〜には1つ目の「so 〜 that 主語 can't ―」と同じように形容詞が、
  また、―には動詞が入ります。

それでは上の例文をもう少し詳しく見てみましょう。
まずは「so that can't」の構文から。


「The old man is so tired that he can't work.」

日本文と照らし合わせると次のようになっています。

「The old man is /   so tired    / that he can't work.」
   ↑            ↑           ↑
 その老人は / 大変疲れているので / 働けません

分かりますか?
「so」の後ろには大変何なのかを表す「tired」が入って「疲れている」 となり、
「that」の後ろには老人を代名詞に代えた「he」を入れ、「働けない」ので「he can't work」としています。

あとで別の例文でも確認しますので、ここではとりあえず次の構文で書きかえてみましょう。
「too 〜 to ―」を使うとこんな文になります。

「The old man is too tired to work.」

ずいぶん短くなった感じがしますね。実際短くなっています。
日本文と照らし合わせてみましょう。

「The old man is /   too tired   / to work.」
    ↑           ↑          ↑
 その老人は / 大変疲れているので / 働けません

こんな感じになります。
一番の特徴は最初の「so 〜 that 主語 can't」の場合と違って「〜できない」を表す「can't」が入っていないのに「〜できない」 という意味になるところでしょうか。


その点も確認しておいてくださいね。
ではもう一度この2つの文を比べてみましょう。



  The old man is so tired that he can't work.
=The old man is too tired to work.

確かに2つ目のほうが短いですよね。
皆さんはこの2つの文を自在に書き分けられるようにならないといけません。


そのためにはどこがどう違っているのか押さえておきましょう。
このように考えるとどうでしょうか。

 The old man is /   so tired    /  that he can't work.
=The old man is /  too tired   /  to work.
    ↑          ↑           ↑
  その老人は / 大変疲れているので / 働けません

「so」と「too」が入れ替わり、「that he can't」と「to」が入れ替わっています。
ここまではよいですか?

では別の例文で練習してみましょう。
ただし一つひっかけが入っていますから気をつけてください。

「その女の子は大変小さかったので自転車に乗れませんでした
            (年が若い)

さて、この日本文を2通りの構文で書きかえたらどうなるでしょう。
このようになります。

  The girl was so young that she couldn't ride a bike.
=The girl was too young to ride a bike.

どこが引っ掛けだったか分かりますね?
そう、過去形だったんです。


そして、過去形の場合みんなは「was」には気がつきますが、「couldn't」は「can't」のままにして点を落としてしまうことが多いんですね。


これは時制の一致といって主節が過去形になったら従属節も過去形に合わせるというルールがありました。覚えていますか?ここは本当に見落としやすいところですから気をつけてください。

主語が変わるパターン


次にもう一つのパターンを紹介します。 ここまでやって初めてマスターしたといえますのでついてきてください。今度の例題はこちらです。


「その山は大変高いので私たちには登れませんでした」

さて、この日本文を英文に直すとどうなるでしょうか?
最初に「so that」を使って書いてみましょう。
このようになります。

「The mountain was /  so high  /   that we couldn't climb it.」
     ↑            ↑             ↑
   その山は     / 大変高いので / 私たちには登れませんでした

ポイントの1つ目は過去形ということですが、これは上でやったばかりなので「couldn't」になることは大丈夫でしょう。しかし、今回大切なのはそこではありません。まず注目してもらいたいのが主語です。

主節(The mountain was)の主語は「山」です。
しかし従属節(that we couldn't climb it)の主語は「私たち」です。

つまり、ここでは主語が変わっているということに注目してもらいたいのです。先ほどの最初の例文では主節も従属節もどちらも「老人」で共通でした。しかし今回のように主語が変わることもありうるのです。


また、最後の「it」にも注目してください。これは何かというと「climb」の目的語です。「climb」は「〜に登る」ですが、何に登るのかを表す目的語が必要になります。


すると登るのは「山」ですが、それは最初に書いてあります。英語では2回目の単語は代名詞で書くというルールがあるのは知っていますよね。ですから「it」にして入れてあげるのです。

それではこの文を今度は「too to」を使って書きかえてみましょう。
答えはこのようになります。

「The mountain was too high for us to climb.」

はい、では解説をします。
最初の「The mountain was too high」というところまでは問題ないと思いますのでその次を見てみます。


すると、何か「for us」という言葉が入っています。これは「私たちにとって」という意味です。なぜこんなの言葉が入っているのでしょうか?


最初の例文では「that he can't work」を「to work」とコンパクトにまとめてしまいました。しかし、もし今回も同じようにしてしまうとどうなるでしょう?


「The mountain was so high that we coudn't climb it.」
(その山は大変高いので私たちは登ることができませんでした)
             ↓

「The mountain was too high to climb.」
(その山は大変高いので登ることができませんでした)

もしこうしてしまうと、下の文では「その山は大変高いので登れませんでした」となって『誰が登れないのか』ということが分からなくなってしまいます。


最初の例文では先ほども確認しましたが、主節と従属節で主語が一致していました。ですから主節の「The old man」と同じ人を表す「he」がなくなっても問題なかったのです。もう一度確認してみましょう。


The old man is so tired that he can't work.」
      ↑                ↑
   この部分    と        この部分  


The old man is too old to work」

下の文に書きかえても「The old man」と「he」は同じ人を表しているから「he」が消えても誰が働けないのか分かる。



しかし、今度の例文では主節と従属節で主語が違っています。そのため一つを省略してしまうと、書きかえた時には誰のことなのか分からなくなってしまいます。ですから「for us」と書いて誰ができないのかを教えてあげるわけです。

「The mountain was so high that we coudn't climb it.」
                 ↓
「The mountain was too high for us to climb.」

ちなみに高校で詳しく学習しますが、不定詞の動作主が主語と違う場合「不定詞の前に『for + 動作主』を入れる」というルールがあります。ここではそれにあたります。


ここまでよいでしょうか?
最後にもう一つだけ。


主語が違っている場合でも「so that」と違い、「too to」の場合は最後に目的語を入れません。詳しいことは省略しますが、そこも確認しておいてくださいね。


では、今回はここまでにしておきましょう。
最後の最後にもう一つだけ問題と答えをだしておきます。今説明した問題のさらに応用バージョンです。

練習問題


(問題)
「これらの本は大変難しいので私には読めませんでした」 (2通りの文を書きなさい)

(答え)
「These books were so difficult that I couldn't read them.」

* readの目的語は「it」ではないので注意。
この場合は「these books」(複数形)の代名詞なのでitの複数形の「them」になる。


「These books were too difficult for me to read.」

* forの後ろには目的格が入ることに注意。