不定詞(2)part2 (疑問詞+不定詞)

不定詞(2)part2 (疑問詞+不定詞)

<前回の復習>



             <2種類の受動態の作り方>

         「My father gave me a present.」
         の受動態を2種類作る



<1つ目 meを主語にした場合>

    1、「me」という目的語を主語にするので、「I」に変える。

      I ・・・



    2、その後ろに受動態の言い方「be+過去分詞」を入れる。
      今の場合は、主語が「I」で、もとの文は過去形だから
      「be動詞」は過去形にする。

      I was given ・・・



    3、そして次がポイント!
      その後ろにはもう一つの残っている目的語を入れる。
     
      今の場合は「a present」を入れることになるね。

      I was given a present ・・・



    4、そして最後にはいつものように「誰によってなされたのか」
      をいってあげる。

      今の場合は「私の父によって」だから「by my father」となる。


      I was given a present by my father.    完成!!
      「私は父にプレゼントをもらいました(与えられました)」



<2つ目 a presentを主語にした場合>

   1、「a present」を主語にするから、スタートは「a present」

     A present ・・・



   2、次はやはり受動態のきまり「be+過去分詞」を入れる。
     今度の場合も元が過去形の文だから「be動詞」を過去形
     にすることを忘れない。

     A present was given ・・・



   3、残った方の目的語を入れるけど、そのときに注意!

     後ろには前置詞の“to”を入れることもできるから。
     つまり、この“to”は入れても入れなくてもよいということ。

     A present was given (to) me ・・・



   4、最後ははじめの文と同じように「私の父によって」だから
     「by my father」となる。
 

     A present was given (to) me by my father.   完成!
      「プレゼントは父によって私に与えられました」


     ポイントは、『残った目的語は過去分詞の後ろに入れる』



      <注意>
     ただし、前置詞“for”で第4文型から第3文型に書きかえる
     文の時には、「物」を主語にする受動態だけしか作れない。

     (「彼女は作られた」、「私は買われた」等の不自然な表現になるから)

     例)She made us a cake.

      ○ A cake was made (for) us by her.
      × We were made a cake by her.


<今回の内容>


《基本文》   It is good for us to get up early.
         「私たちにとって早起きはよいことです」

         It is kind of him to help old people.
         「彼は親切にも老人の手伝いをします」

<解説>

みなさん、こんにちは。

それでは結加ちゃん、今回も始めていきましょう。
こんにちは〜。

結: こんにちは。

カ: それでは早速始めましょう。

結: よろしくお願いします。

<形式主語って何?>

カ: さて、今回は「形式主語」というのを勉強しますよ。

結: 形式主語って何ですか?

カ: それではまず、次の文を見てごらん。

「To get up early is good for us.」

この文の意味はどうなるかな?

結: え〜っと、最初の「to」は昔習った不定詞ですよね。
だから、

「早く起きることは私たちにとってよいです」

ですか?

カ: そうだね。
その通り正解だよ。

To get up early  /   is good   / for us.
「早く起きることは  / よい(こと)です / 私たちにとって」

このように意味のカタマリで区切ることができるよね。
だからこれは何の問題もないちゃんとした文なんだよ。

ところで、この文の主語ってどこになるかな?

結: えーと、最初の「To get up early」の部分ですか。

カ: そうだね。
そうなると、この文の主語はずいぶんと長くないかな〜。
文の半分近くあるよね。

結: あ〜、そういわれてみると、そうですね。

カ: 英語の文では、結論をスパッと言ってしまって、
あとから細かい解説をつけ加えていくことを好むんだよ。

そういう傾向を考えると、上の文は間違いじゃないんだけど、あんまりネイティブの人たちは好まない形なんだよね。

結: へー、そうなんですか。

カ: そう、例えば質問に答える時でもYes/Noを最初に言うでしょう?

そうして、まずYes/Noを言ったあとに「because〜」と理由をいろいろとつけていくということはよくあるんだよ。

結: あー、そういえば見たことがあります。

カ: そうでしょう?
それでね、さっきの話に戻るんだけど、そういう理由からなかなか結論が出てこない主語が長い文はあまり好まれないんだね。

では、そういう場合にどうするかだよ。

結: どうするんですか?

カ: こんな時に登場するのが、『形式主語』なんだ。

『形式主語』というのは、文字通り “形だけの主語” のことで、“It” を使うんだよ。具体的に文を見てみよう。

To get up early is good for us.
        ↓
It is good for us to get up early.

結: ちょっと、パッと見ではどこがどう変わったのかが、よく分かりませんね。

カ: そうだね、じゃあこれならどうかな。

To get up early / is good for us.
It/ is good for us / to get up early.

これらの2つの文を見てごらん。
上の文のピンク文字の部分が移動しているよね。
考え方はこうだよ。

1 上の文の「To get ・・・」の部分はこの文の主語なんだけど、長いから最初に来るのはあまり好まれない

2 そのために、特に意味はなく形だけの形式主語(または仮主語呼ばれる)の「It」を文の最初に持ってきた。これで見た目上の主語はシンプルになった。

3 その後ろには動詞その他(is good for us)が続いてくる。

4 最後に、本来の主語の部分が来る。
ここで思う存分長くなろうと、いくらでも言うことができる。

という流れだね。

結: 最初の主語のところに「It」を入れて、最後に不定詞の主語の部分を持って行くと考えてもいいんですか?

カ: そうだね、自分でどこがどう変わったのかが分かればいいよ。
ただね、この文の形を大きく捉えるとこうなっているんだよ。

「 It is 〜 (for + 人) to ― 」

気づいたかな?

「It is good」、「for us」、「to get up early」

ねっ、こうなっているよね。
この順番からこの形のことを、「It toの構文」とか「It for to の構文」と呼ばれることがあるんだよ。

このパターンが大切だから、必ず覚えておいてね。

結: ハイ、分かりました。

カ: ところで、よく言っているけど、“英語と日本語では語順が違う”よね。

結: はい。

カ: そのことを今回も頭から離しちゃダメだよ。   
この文では、

「良いです」、「私たちにとって」、「早く起きることは」

という並びになること。
ここを押さえることが肝心!

さっき話した、『英語は結論が最初に来る』

ということも確認してごらん。

まず「良いです!」って言っているでしょう。
良いか悪いかを最初に言っているんだよ。

最初に「良いです」って言われてごらん、
聞いている人は、

「えっ、何が良いんだろう?」

って興味を持つよね。
すると次に、「私たちにとってはね」ときて、

最後に「早く起きることがだよ」と続いてくるんだよ。

結: あー、なるほど。
何となく分かったような気がします。

他にもちょっと例文を挙げてもらえますか?

カ: そうだな〜、こんなのはどうかな。


It is difficult for me to speak English.」
It is necessary for Yuka to study harder.」

結: ちょっと単語が分からないものがあります。

カ: 最初の文は、

It is difficult / for me / to speak English.
「難しいです」 「私にとって」 「英語を話すことは」

     ↓

「私にとって英語を話すことは難しいです」

次の文は、

It is necessary / for Yuka / to study harder.
「必要です」  「結加にとって」 「もっと一生懸命勉強することは」

    ↓

「結加にとってもっと一生懸命勉強することは必要です」

結: ひ〜ど〜い、それって私のことですか〜?
でもよく分かりました。

カ: いいね、この文の並びの感覚をしっかり身につけておいてね。
ポイントは、

「○○です」 「誰々にとって」 「これこれすることは」

この語順だね。

結: はーい、ところでさっき

「 It is 〜 (for + 人) to ― 」

と「(for + 人)」にカッコがついていましたけど、どうしてですか?

カ: おっ、よく見ていたね。

これはね、この「(for + 人)」の部分というのは入らない場合があるから、そういうときには省略されるよっていうことなんだ。

結: えっ、どんな時に省略されるんですか?

カ: そうだね、一般的な人に言える場合は敢えて「〜のために」といわないことが多いね。

でも、そうは言ってもさっきの例文のように、「私たちにとって早起きは健康によい」なんていったりもするんだよね。

早起きが健康によいのは、みんなに言えることだもんね。
まぁ結局は、会話ではこういうときには言ってはいけないなんていう決まりはないから、話す本人が決めれば良いってことになるね。

それで肝心のテストの場合にはどうすれば良いかというと、

「日本文に“〜のために”、“〜が”などの言葉がある場合
「書きかえ問題などで、元々の文に入っていた場合

にはそれに従うと覚えておけば大丈夫だよ。

結: はい、分かりました。

カ: では、では本当に最後にもう一つだけ大切な決まりを話しておしまいにしよう。

それは、この文のパターンで、「It is 〜(of +人)to ―」という形になることがあるんだよ。

結: えっ、どこが違いますか?

カ: いやいや、どこって(苦笑)
「for+人」が「of+人」に変わっているでしょう?

結: あっ、本当だ。
どんな時にこうなるんですか?

カ: うん、それはね。
前に来る「〜」の部分の形容詞が、

「kind(親切な)」、「careful(注意深い)」、「careless(不注意な)」

などの “人の性質を表す形容詞” が来る時には、「for」ではなく、『of』がくるという決まりがあるんだ。
例文を挙げると、

It is kind of him to help old people.
「老人の手伝いをするとは彼は親切です」
(彼は親切にも老人の手伝いをします)

It is kind / of him / to help old people.

この文は形容詞が、「kind」という人の性質を表す形容詞なので後ろにくる前置詞が、“of”になっているよね。

結: 本当だ、そうですね。

カ: こんな決まりもあるから覚えておこうね。
それでは今回はここまでにしておきましょう。
頑張ってここまでを理解して、自分で練習問題を用意して解いておこうね。

結: はい、ありがとうございました。


<今回のまとめ>

Q: 形式主語とは?
A: 不定詞の主語(that節の場合もあるが、ここでは触れていないので省略)が長い時に置く、形だけの主語のこと。
「It」で表すが、「それは」と訳さない。

Q: 形式主語を使った書きかえはどうすればいいのか?
A: 例えば次のように考える。

To get up early / is good for us.
It/ is good for us / to get up early.

1 上の文の「To get ・・・」の部分はこの文の主語なんだけど、長いから最初に来るのはあまり好まれない。

2 そのために、特に意味はなく形だけの形式主語(または仮主語呼ばれる)の「It」を文の最初に持ってきた。
これで見た目上の主語はシンプルになった。

3 その後ろには動詞その他(is good for us)が続いてくる。

4 最後に、本来の主語の部分が来る。
ここで思う存分長くなろうと、いくらでも言うことができる。

Q: なぜこんなことをするのか?
A: 英語は結論を先にいう傾向が強い言語。質問に答えるにしても 「Yes/No」を先にいう。

Q: ではこの文の形のポイントは?
A: 英語の形では 「 It is 〜 (for + 人) to ― 」
日本語では   「○○です」 「誰々にとって」 「これこれすることは」という形。

Q: どうして「(for + 人)」とカッコがついているのか?
A: 必ず入るとは限らないから。
通常一般的な人のことをいうときには省略されるが、必ずしもそうとも限らない。
テストでは、

「日本文に“〜のために”、“〜が”などの言葉がある場合」
「書きかえ問題などで、元々の文に入っていた場合」

のような時には必ず書くようにすれば間違いがない。

また、「(for + 人)」が入るときには必ず「to 〜」の前に入れるので注意。

Q: 「 It is 〜 (of + 人) to ― 」と、前置詞が「for」ではなくて「of」になるときがあるけど、どう使い分けるの?
A: 前にくる形容詞が、『人の性質を表す形容詞』の時に「of」となる。例としては、

「kind(親切な)」、「careful(注意深い)」、「careless(不注意な)」
「stupid、foolish(愚かな)」、「wise(賢い)」など

Q: 最後に例文をいくつか挙げてください。
A:  It is difficult for me to speak English.
   「私にとって英語を話すことは難しいです」   

   It is necessary for Yukato study harder.
   「結加にとってもっと一生懸命勉強することは必要です」

   It is kind of him to help old people.
   「彼は親切にも老人の手伝いをします」
*「kind」が彼の性格を表した形容詞なので「of」を使う。

*最初の2つの例文は「difficult」が「私の性格が難しい」という訳でも「necessary」が「結加の性格が必要」という訳でもないので、通常の「for」を使う。