比較 part8 (これだけはマスターしたい書きかえ)

比較 part8 (これだけはマスターしたい書きかえ)

<前回の復習>



<形容詞と副詞>


形容詞  → 名詞
副詞    → 動詞(他にも形容詞、副詞)


をそれぞれ修飾
形容詞は『〜い』で終わる。
 

 【形容詞】
  例)かわいい、きれい、大きい、小さいなど

 【副詞】
  例)早く、速く、ゆっくり、とても、激しくなど



<副詞の最上級の特例>


『副詞の最上級では“the”を省略できる』


 例)  1 I can run the fastest in my class.
       「私はクラスで一番速く走れます」

     2 I can run fastest in my class.
       「私はクラスで一番速く走れます」



           どっちも同じ意味



<一発で形容詞か副詞かを見抜く必殺技>


「be動詞の文」   → 形容詞の最上級 → theを省略できない
                       
「一般動詞の文」 → 副詞の最上級   → theを省略できる


例) 1 I am the fastest in my class.     (省略できない)
      
    2 I can run (the) fastest in my class.(省略できる)
     



<better , best の原形は?>


good - better - best (よい、うまい、上手な)形容詞
well - better - best (よく、うまく、上手に) 副詞


上のことを覚えておけばbestの原形はどちらかを聞かれても大丈夫


  例) My father likes driving best.
                

使われている動詞  →  一般動詞(like)
bestの品詞      →  副詞
 
            原形は?
             ↓
             well


<今回の内容>

《基本文》  I am taller than my father.    「私は父より背が高い」

        My father is shorter than I.   「父は私より背が低い」




<解説>


さて、前回ためしに始めてみました会話形式の講義ですが、これがなかなか好評でした。
よって今回もその続きでやってみようと思います。



それでは、今回の内容に入りましょう。
今回は「比較級の最終回」で『書きかえ問題』です。
比較で書きかえは定番であり、ひじょ〜〜〜に大切です。
頑張っていきましょう。




登場人物:カナメ → カ
     
       健二  → 健
    (読者代表)



カ: こないだまでの比較の内容は分かった?



健: はい、分かりました。
   副詞の最上級だったら“the”を省略できるんですよね?



カ: そう、まぁ理解できているならいいんだよ。
   じゃあ、今回はこれまでの内容を総合して比較で一番よく出される『書きかえ問題』
   をやってみようか。



健: 書きかえ?なんか難しそうじゃないですか?



カ: 大丈夫だよ、よく出される問題をある程度教えていくから、そこをおさえていけば、テスト
   では大丈夫だよ。



健: 本当ですか!!
    早く教えてください。(ノリノリ)



カ: はいはい、じゃあまずは基本的な書きかえから説明をしていこう。



   <not as 〜 as と 比較級 の書きかえ>


カ: じゃあ、まずは本当によく出される『not as 〜 as ・・ と 比較級』の書きかえを
   説明していこう。

   「not as 〜 as ・・」ってどんな意味だったっけ?



健: えーと、「as 〜 as」は「同じくらい」って意味でしたよね?



カ: そう、でもこれはその「as 〜 as」の否定文だよ。



健: あっ、そうだ!
   だから「〜と同じくらいではない」だったかな?



カ: うーん、それだと何を言っているのかが分かりずらくなるから別の訳し方があったよね。
   教えたはずだけどな。



健: あれ〜、忘れちゃったなー。



カ: ダメだな、そうしたらまたきちんと復習をしておくんだよ。
   「not as 〜 as ・・」の訳し方は


   『・・程〜ではない』


   だよ。例えば次の文の意味を考えてみな。
  

   例) I am not as old as you.
      


健: えーと、「私はあなたほど年をとっていない」かな?



カ: そうだよ、こうなると「私の方が若くて、あなたの方が年をとっている」ということ
   がよく分かるでしょう?



健: なるほど、本当だ! この方が分かりやすいですね。
   これを

   「私はあなたと同じくらい年をとっていない」

   と訳しちゃうとどっちがどうなのか分かりずらいですよね。



カ: そうでしょう?
   それで、この「not as 〜 as ・・」の文なんだけど、この文を比較級で書きかえられる
   んだよ。


   今「私の方が若くて、あなたの方が年をとっている」と言ったでしょう?


   これらを英語でいうと次のようになるよね。


   I am younger than you. 「私はあなたよりも若い」
   You are older than I.   「あなたは私よりも年をとっている」



健: あー、本当ですね!



カ: テストでは次のような出題がされるよ。



      <テストで出題されるパターン>


次の2つの文がほぼ同じ内容になるように下線部に適切な語を書きなさい。


 Tomoko isn't as tall as I.

 I am _____ than Tomoko.





カ: こんな問題だね。
   上の問題はさっきの説明で分かると思うけど、

    『Tomoko isn't as tall as I.』

   は「智子は私ほど背が高くない」という意味で、下の
  
    『I am _____ than Tomoko.』

   は「私は智子より_____ 」で下線部分には当然「背が高い」という意味の単語
   が入ればいいんだよね。


   しかもこの文は比較級だから「−er」という形にすることを忘れずにね。
   答えは『taller』になるよ。



健: うん、これは僕も分かりました。
   他にはどんな問題がありますか?



カ: ちょっと待って。
   今の問題でも他にどんな書きかえがあるのか確認してからその次に
   進んでいこう。




  【書きかえパターン1】

<not as 〜 as ・・の書きかえパターン>
Tomoko isn't as tall as I. 「智子は私ほど背が高くない」
Tomoko is shorter than I. 「智子は私よりも背が低い」
I am taller than Tomoko. 「私は智子よりも背が高い」
Tomoko isn't taller than I. 「智子は私よりも背が高くない」
I'm not as short as Tomoko. 「私は智子ほど背が低くない」
I'm not shorter than Tomoko. 「私は智子よりも背が低くない」



カ: 上の書きかえでは「not as as」と「er than」のところだけを強調してあるけど、
内容が大切だからきちんと理解できるまで自分の頭で考えてね。


どれも 「私の身長 > 智子の身長」 という関係だよね。


少なくても上の書きかえパターンはすぐに言えるようにしておこうね。



健: なるほど。
一つ一つの文を見ていくと、どれも同じ内容になっていますね。



カ: そうでしょう?



健: それで、この他にはどんな書きかえがありますか?



カ: うん、じゃあ次の書きかえを見てみよう。




<比較級+than any other+単数名詞>の書きかえ
(他のどの〜よりも・・・)



カ: 今度は「比較級+than any other+単数名詞」の書きかえだよ。
これは公立私立に関係なくよく書きかえ問題で出題されているものだから大切だよ。


この「比較級+than any other+単数名詞」は一つの構文だから、数学で言えば公式
のようなものだと思うと理解しやすいかもね。


まず、「比較級」の意味は分かるよね?
以前勉強した「長い形容詞」の時には「more」を使うんだよ。


その後ろの「than any other」という部分は、「他のどの〜よりも」という意味。


そして最後の「単数名詞」は文字通り「単数形の名詞」のこと。
例文を挙げてみよう。




例) Ken is taller than any other boy in his class.

「健はクラスの他のどの少年よりも背が高い」


Mt.Fuji is higher than any other mountain in Japan.

「富士山は日本の他のどの山よりも高い」


This book is more difficult than any other book of all.

「この本はすべての他のどの本よりも難しい」




こういう風に使うんだよ。


で、ここまでが分かったら何かに気づかない?



健: え、何がですか?



カ: ほら、例えば「富士山は日本のほかのどの山よりも高い」という意味を聞いて
何か思わない?



健: うん、富士山は日本一の山ですよね・・・。
あっ、そうか!「富士山は日本で一番高い山」だから最上級だ〜。



カ: そう、その通り!
つまりこの構文は「比較級」を使って、「最上級」の内容を表したもので、同じ内容
だから書きかえができるんだよ。


この例文だとしたら「富士山は日本で一番高い山です」となるから


『Mt.Fuji is the highest mountain in Japan.』


となるんだけど。分かるかな?



健: 分かります。



カ: 他の例文でも同じだからそれぞれを考えてみよう。



健: 「Ken is taller than any other boy in his class.」は
「健はクラスで一番背が高い」となればいいんだから


『Ken is the tallest boy in his class.』


「This book is more difficult than any other book of all.」は
「この本は一番難しい本です」となればいいんだから


『This book is the most difficult book of all.』ってなるのかな?


カ: そう、それでいいんだよ。
そして最後にもう一つの書きかえを今回は教えておこう。
これは公立では出題されないと思うけど、私立ではよく見られるからね。
それは



No other mountain in Japan is as high as Mt.Fuji.
「富士山と同じくらい高い山は日本にひとつもない」



どう?この文の内容を考えてみるとやっぱり、「富士山が一番」ということを言って
いるよね?


これは「as 〜 as」という「原級」を使って「最上級」の内容を表したものなんだ。

この文の特徴は「in Japan」という普通だったら一番最後にくる言葉が主語の中に
入っているところかな。
ちょっと文を分解してみてみよう。



No other mountain  /   in Japan  / is /  as high as Mt.Fuji.
(他に一つの山もない) / (日本には)/   (富士山と同じくらい高い)



「is」の前までが「主語」だけど、この中に「in Japan」という言葉が入っている
よね?



健: うーん、なんか難しくなってきたな。
それで、この書きかえは「他に一つもない」から「一番」ていうことになるんですか?



カ: そう、そういう考え方でいいよ。
「No other」で始まるのが特徴だね。
これの応用バージョンで「Nothing」というのもあるけど、ここで話すと混乱するからそれは
また別の機会にすることにしよう。


そうなるとこれが本当に最後になるけど、その他の文はこの構文を使うとどういう風に
言えるかな?



健: え〜と、「Ken is taller than any other boy in his class.」は

『No other boy in his class is as tall as Ken.』

でいいのかな?それで意味は・・・

「健と同じくらい背の高い少年は他に一人もいない」



カ: おう、よくできたじゃない。
その調子でもう一つの文はどうなる?


健: 「This book is more difficult than any other book of all.」は

『No other book of all is as difficult as this.』

で合ってますか?



カ: そう、それでいいよ。



健: それで意味は・・・

「すべての中でこれと同じくらい難しい本は他に一つもない」

だから「一番難しい」という意味と同じってことですか?



カ: そうだよ。よくできました。

今の書きかえをまとめるとこうなるね。

【書きかえパターン2】

<比較級+than any other+単数名詞の書きかえ>


例) Mt.Fuji is higher than any other mountain in Japan.
「富士山は日本のほかのどの山よりも高い」

Mt.Fuji is the highest mountain in Japan.
「富士山は日本で一番高い山です」

No othermountain in Japan is as high as Mt.Fuji.
「富士山と同じくらい高い山は日本に他にはない」



カ: お疲れさま、今回はずいぶん長くなっちゃったけど、理解できたかな?
しっかり復習をしておいてね。

それでは今回のまとめをしてみよう。


<今回のまとめ>


【書きかえパターン1】

<not as 〜 as ・・の書きかえパターン>
Tomoko isn't as tall as I. 「智子は私ほど背が高くない」
Tomoko is shorter than I. 「智子は私よりも背が低い」
I am taller than Tomoko. 「私は智子よりも背が高い」
Tomoko isn't taller than I. 「智子は私よりも背が高くない」
I'm not as short as Tomoko. 「私は智子ほど背が低くない」
I'm not shorter than Tomoko. 「私は智子よりも背が低くない」