関係代名詞 part2(関係代名詞の種類と選び方)
<前回の復習>
「関係代名詞の役割」
1 接続詞の働き → 語と語、句と句、文と文などをつなぐ働き
2 代名詞の働き → I, you, he, she, it, we, theyなどの代わりをする
「関係代名詞の文の訳し方」
1 関係代名詞を探す
2 その前にある名詞は修飾される言葉(先行詞)になる
(関係代名詞の前で区切る)
3 関係代名詞の後ろの部分は先行詞を修飾している
例)
「I have a friend who can speak English very well.」 の場合
1 I have a friend who can speak English very well.
↑
関係代名詞
2 I have a friend / who can speak English very well.
↑
先行詞
前半(スラッシュの前まで)の意味は「私は友達がいます」
3 I have a friend / who can speak English very well.
↑
この部分が先行詞を修飾
「英語をとても上手に話せる」
合わせると・・・↓
「私は英語がとても上手に話せる友達がいます」
「主語に関係代名詞が入る場合」
※ポイント
主語の中に関係代名詞が入ると、当然主語が長くなる
(主語なので「〜は」と訳す)
例)
The girl who is playing tennis / is / Kumi.
(主語) (動詞) (補語)
「テニスをしている少女は」 「です」 「久美」
日本語らしく並べると・・・↓
「テニスをしている少女は久美です」
<今回の内容>
『関係代名詞の種類と選び方』
<解説>
みなさん、こんにちは。
前回は『関係代名詞の働きとそれを使った文の訳し方』を説明しました。
今回は第2弾として『関係代名詞の種類と選び方』のお話をしていきます。
関係代名詞にもいくつかの種類があり、どんな時にどれを使うのかが決まっています。
それでは始めていきましょう。
美緒ちゃーん!
<関係代名詞の種類>
美: はーい。
カ: それじゃ、今回も始めていくよ。
前回の日本語に訳す問題はもう大丈夫かな?
主語の中に関係代名詞を含んだ表現が入っていて、
長い主語になっているときなんかは、特に注意だったんだけど。
美: はい、大丈夫です。
カ: そうか。
よし、それじゃ次の内容の話をしていくよ。
前回は細かく話していなかったけど、関係代名詞にはいくつかの種類があって、
その時々によって使い分けなくてはいけないんだよ。
まずは下の表を見て。
これだけの種類があるよ。
先行詞 | 主格 (〜は) |
所有格 (〜の) |
目的格 (〜を、に) |
人 | who | whose | whom |
人以外 | which | which | |
両方 | that | that |
左上から説明すると、「先行詞」というのは前回も話した
“関係代名詞の後ろの部分に修飾される言葉”
のこと。
そこから下に見ていくと、先行詞の種類が、「人」、「人以外」、「どちらでも」
というのがあるよね。
これらは、それぞれの先行詞のときに、横に書いてある関係代名詞が使える
ということになるんだよ。
つまり、先行詞が「人」の時には、「who , whose , whom」という3種類が使える
ということだね。
2段目の「人以外」というのは、人間以外の動物や物など、とにかく「人以外」
の先行詞は全てということ。
さらに、その下の「どちらでも」というのは、
先行詞が「人」の場合でも「人以外」の場合でも
どちらでも使える便利な関係代名詞ということ。
次に、表の先行詞の横には、「主格」「所有格」「目的格」と順に書いてあるけど、
これは何かというと、代名詞の格なんだよね。
ちょっとピンとこないと思うけど、細かいことは次回にまわして、
とりあえず、そういう3種類があるということを頭に入れておいて。
美: はい・・・、なんか難しそうですね。
カ: うん、確かに単純ではないところがあるけど、
きちんと解して進めていけば、そうでもないよ。
でも、油断すると混乱するから気を抜かないでね。
中学3年生でこの「関係代名詞」が分からないという人は結構いるのも事実だからね。
美: 分かりました、頑張ります。
カ: それじゃ、今回の内容として次のような問題の考え方を教えよう。
(問題)
次の( )内に適切な関係代名詞を入れなさい。
1 I have a friend ( ) has two cars.
2 Do you know the boy ( ) father is a doctor?
3 She has the book ( ) I want to read.
この問題は、カッコの中に適切な関係代名詞を入れる問題なんだよね。
前回も話したけど、関係代名詞それ自体には特別に意味はないから、
上の文の意味は分かるはずだよね。
まず1番の文の意味はどうなるかな?
美: え〜と、カッコの中に関係代名詞が入るんだから、
その前にある「friend」が先行詞になるんでしたよね。
そして、関係代名詞の後ろが先行詞の「friend」を修飾しているんだから・・・
「私は2台の車を持っている友達がいます」
という意味でいいんですか?
カ: そうだね、それでいいよ。
じゃあ、次にこのカッコの中にはどんな関係代名詞が入るのか、
その見分け方を教えるよ。
それはね。
<関係代名詞の選び方>
【関係代名詞の後ろにどんな言葉がきているかで格(主格、所有格、目的格)が決まる】
後ろにくる言葉 |
|
主格 |
(助)動詞 |
所有格 |
名詞 |
目的格 |
主語+動詞 |
これだよ。
これは、関係代名詞が入る部分の後ろにどんな言葉がきているかによって、
入る関係代名詞の格が決まるということを言っているんだけど。
このように、後ろにどんな言葉がきているかでまずは格を決めるんだよ。
さっきの1番の
I have a friend ( ) has two cars.」
では、関係代名詞(今の場合はカッコ)の後ろには“has” があるよね。
後ろに動詞が来ているということは、格は
“主格”
となるよね。
「格」というのがよく分からなくても、とりあえずはこのまま解説を聞いてね。
ここで、関係代名詞の「格」が決まったらどうなるのか、
そうしたらさっきの関係代名詞の表をまた思い出してほしいんだよ。
先行詞 | 主格 (〜は) |
所有格 (〜の) |
目的格 (〜を、に) |
人 | who | whose | whom |
人以外 | which | which | |
両方 | that | that |
この表の中には3つの格が入っていたよね。
今の1番の問題では、主格の関係代名詞を使うということになるんだよ。
ここで主格の関係代名詞を縦に見てみると、
「who , which , that」の3つがあることに気づくよね。
そうしたら、今度は関係代名詞の前の先行詞を見て。
I have a friend ( ) has two cars.
先行詞は「friend」、つまり “人” だよね。
だから使えるのは、「who か that」のどちらかということになるんだよ。
I have a friend who has two cars.
(that)
「私は2台の車を持っている友達がいます」
ただ、この「that」は便利な関係代名詞で、これは所有格以外はどんな時にも使えちゃうから、
まずは「that」以外は何になるのかを考えていくようにしてね。
問題で「ただし、thatを除く」と注釈がついた場合に、日頃thatばかりを使っていると
それ以外の関係代名詞が答えられなくなるからね。
美: なんだかすごく難しそうですね。
カ: 言葉にするとそう感じるんだよ。
それに今はいろいろな説明も加えているから尚更そう感じるんだよ。
慣れてしまえばあっという間に分かるよ。
美: そうですか〜?
カ: そうだよ。
今の考え方もシンプルにいうと、こうなるよ。
I have a friend ( ) has two cars.
↓
カッコの後ろにhasがある
↓
主格
↓
先行詞は?
↓
friendだから「人」
↓
“who”
こんな感じかな。
美: はぁ・・・、でもやっぱり私には難しそうな・・・。
カ: 大丈夫、それじゃ次に2番の問題を考えてみようか。
2 Do you know the boy ( ) father is a doctor?
さぁ、この問題を考えてみよう。
まずこの文の意味はどうなるかな?
美: えーと、先行詞が「the boy」で、それを後ろの部分が修飾しているんだから・・・。
「あなたはその少年を知っていますか」
と言って、後ろからどんな少年かを言っているんでしょう。
それが、
「お父さんは医者です」
だから、あわせると
「あなたはお父さんが医者であるその少年を知っていますか」
でいいんですか?
カ: そう、それでいいよ。
それじゃ次にさっき話したように入れる関係代名詞を考えてみな。
美: はい、えーと。
まずは、後ろにどんな言葉がきているかを考えるんだから、
Do you know the boy ( ) father is a doctor? だと、
「father」
が後ろに来ていて、これは
「名詞」だから
「所有格」ってことになるのかな?
カ: そうだよ。
ということは?
美: 今度は先行詞を見ると、「the boy」だから、先行詞は「人」
になりますね。
それで表を見ると、
先行詞 | 主格 (〜は) |
所有格 (〜の) |
目的格 (〜を、に) |
人 | who | whose | whom |
人以外 | which | which | |
両方 | that | that |
あれ?
あっ、そうか所有格の場合は先行詞がどんな場合でも全部「whose」になるんですね。
ということは、ここに入る関係代名詞は「whose」です。
カ: よし、よくできました。
その通りだね、
今自分でといて気づいたと思うけど、実は所有格の時の関係代名詞は
全て「whose」だから、関係代名詞の後ろに名詞がきていると分かったら、
「名詞」
↓
「所有格」
↓
「whose」
というように、先行詞を見なくても分かるんだよね。
美: なるほど!
そう初めから言ってくれればいいのに。
カ: いや、初めからいっぺんにたくさんのことを言っても、何を言っているのかが
理解できないし、
自分の頭で考えてから、それに関連したことを言われたよく分かるから
敢えて言わなかったんだよ。
美: ふーん、結構考えているんですね。
カ: そうだよ。
それじゃ、最後に3番の問題をやってみようか。
美: はい。
3 She has the book ( ) I want to read.
えーと、これもまずは意味を考えてみよう。
これは先行詞が「the book」で、後ろに「I want to read」があるから、
「彼女はその本を持っています」と
「私は読みたい」
をくっつけるんだから、
「彼女は私が読みたい(その)本を持っている」
ですよね。
カ: そうだね。
美: それで、後ろにきている言葉は、「I」だから「名詞」 で・・・。
カ: ちょっと待って!
これは、後ろに「I want」という「主語+動詞」が続いているというパターンなんだよ。
美: あっ、そうか。
ということは、
「主語+動詞」
↓
「目的格」
って考えるのか。
カ: そうだよ。
美: それで、今度は先行詞を見ると、先行詞は「the book」だから
「人以外」になるから関係代名詞は、
「which」
になるんですね。
カ: そうだね。
今の3番の問題は、
She has the book ( ) I want to read.
1 後ろに「主語+動詞」 → 「目的格」
2 先行詞は「the book」 → 「人以外」
↓
「which」
と考えるんだね。
She has the book which I want to read.
「彼女は私が読みたい(その)本を持っています」
それからここでも「that」は使えるからね。
念のため付け加えておくよ。
美: あっ、そうですよね。
所有格以外は「that」でも使えるんですもんね。
カ: そう、よしそれじゃ今回はここまでにしておこう。
最後に今回のまとめをしておくよ。
<今回のまとめ>
<関係代名詞の種類>
先行詞 | 主格 (〜は) |
所有格 (〜の) |
目的格 (〜を、に) |
人 | who | whose | whom |
人以外 | which | which | |
両方 | that | that |
<関係代名詞の選び方>
関係代名詞の後ろにどんな言葉がきているかで
格(主格、所有格、目的格)が決まる。
後ろにくる言葉 |
|
主格 |
(助)動詞 |
所有格 |
名詞 |
目的格 |
主語+動詞 |
例1) I have a friend ( ) has two cars.
「私は2台の車を持っている友達がいます」
↓
カッコの後ろにhasがある
↓
主格
↓
先行詞は?
↓
friendだから「人」
↓(表から)
“who”
(*所有格以外ならどれでも使える“that”も可)
I have a friend who has two cars.
(that)
例2) Do you know the boy ( ) father is a doctor?
「あなたはお父さんが医者であるその少年を知っていますか」
↓
カッコの後ろにfatherがある
↓
所有格
↓(先行詞がどんな時も所有格の場合は同じ)
“whose”
Do you know the boy whose father is a doctor?
(*所有格ではthatは使えない)
例3) She has the book ( ) I want to read.
「彼女は私が読みたい本を持っています」
↓
後ろに I want がある
↓
「目的格」
↓
先行詞は?
↓
「the book」だから「人以外」
↓(表から)
“which”
(*所有格以外ならどれでも使える“that”も可)
She has the book which I want to read.
(that)