高校入試問題 part7
1.次の条件に合う英文を(1)は3語以上、その他は5語以上で答えなさい。
(1) 相手に物を渡すとき。
(2) 相手にお茶をすすめるとき。
(3) 明日相手の車を使ってよいかたずねるとき。
(4) 今までに外国に行ったことがあるか相手にたずねるとき。
解答・解説
さて、それでは今回の問題を考えていきましょう。
今回は「条件英作文」です。条件英作文の場合は当然ですが、与えられた条件にあっていないといけません。内容はもちろんのこと、語数制限に気をつけましょう。
1.次の条件に合う英文を(1)は3語以上、その他は5語以上で答えなさい。
(1) 相手に物を渡すとき。
相手に物を渡すときは「どうぞ」という意味の文になればよいですね。この言い方は決まり文句なので覚えておいて下さい。
「はい、どうぞ」
- → 「Here you are.」
- → 「Here it is.」
- → 「Here they are.」
この3つが一般的です。
- 「Here you are.」 → 「どんな時にも使える」
- 「Here it is.」 → 「渡すものが単数」
- 「Here they are.」 → 「渡すものが複数」
のように残りの2つは使い分けが必要になります。ここではいくつ渡すのかが不明です。このような場合は最初の「Here you are.」としておくのが無難です。
正解)
「Here you are.」
(はい、どうぞ)
(2) 相手にお茶をすすめるとき。
今度は相手に何かを勧めるときの言い方です。相手に何かを勧めるときには次のような言い方が使えます。
- 「Would you like 〜?」
→ 「〜はいかがですか」
例)Would you like some tea?
(お茶はいかがですか)
- 「Would you like to 〜?」
→ 「〜をしたいですか」
例)Would you like to have some tea?
(お茶を飲みたいですか)
- 「How about 〜?」
→ 「〜はどうですか」
例)How about some tea?
(お茶はどうですか)
※「How about 〜?」は後ろに動名詞(〜ing)を続けて
「〜するのはどうですか」とすることもできます。
例)How about having some tea?
(お茶を飲むのはどうですか)
- 「Why don't you 〜?」
→ 「〜しませんか」
例)Why don't you have some tea?
(お茶を飲みませんか)
ここで挙げた言い方はどれも高校入試で使える言い方になります。ただし、この問題では“語数制限”がありました。
(2)では“5語以上”という制限がありましたので、ここでは次の表現が正解となります。
正解)
「Would you like some tea?」
「Would you like to have some tea?」
「How about having some tea?」
「Why don't you have some tea?」
(3) 明日相手の車を使ってよいかたずねるとき。
次は「相手に許可を求める表現」です。
つまり「〜してもいいですか」とたずねてあげる言い方になります。
「〜してもいいですか」は次のようにいいました。
- 「〜してもいいですか」
→ 「May I 〜?」
→ 「Can I 〜?」
この2つを覚えておけば問題ないでしょう。
他にも「Do you mind if 〜?」のような言い方がありますが、余裕がある人だけでよいです。
ちなみにこの「Do you mind if 〜?」というのは「mind」(〜を気にする)という語を使って「もし〜したらあなたは気にしますか」
というまどろっこしい表現を使って「〜してもいいですか」という内容を伝える文です。
ここでは「あなたの車を使ってもいいですか」としてあげるのですから、
- 「May I use your car?」
- 「Can I use your car?」
のようになれば大丈夫です。「May」と「Can」の違いは「May」の方が丁寧な言い方なので“目上の人”や“あまり親しくない人”の時に使います。テスト的には「May」を使っておけば無難かと思います。
正解)
「May I use your car?」
「Can I use your car?」
(4) 今までに外国に行ったことがあるか相手にたずねるとき。
最後の問題です。
これは「〜したことがありますか」という言い方を使うことになるので、“現在完了”で文を作ります。しかもここでは「〜に行ったことがあります」となっています。これは決まった言い方がありましたね。
- 「〜に行ったことがある」
→ 「have(has) been to 〜」
これです。似た表現で「have(has) gone to〜」というのもありましたがこれだと「〜に行ってしまった(だから今ここにいない)」という意味になってしまいました。
- 「〜に行ったことがある」 → 「今はもう戻ってきている」
- 「〜に行ってしまった」 → 「今はそっちにいるのでここにいない」
という違いがあるので間違えないで下さい。さて、この英文は次のように考えます。
「今までに外国に行ったことがあるか相手にたずねる」
↓
「あなたは今までに外国に行ったことがありますか」
↓
- 「今までに」
→ 「ever」 - 「外国に」
→ 「abroad」 - 「行ったことがある」
→ 「have been to」
↓
これらを組み合わせて、疑問文にしていくと、
「Have you ever been abroad?」
このようになります。
おそらくみなさんが間違えるとしたら「been abroad」の部分ではないでしょうか?
さっき「〜に行ったことがある」は「have been to」と言っていたのに「to」はどうしたの?と思いますよね。それは次のような理由からです。
「abroad」は「外国へ」という意味です。つまりこの単語には「〜へ」という「to」の意味が既に入っているのです。もしも「have been to abroad」としてしまうと、「外国へヘ」のようになってしまうと考えてもらえれば分かりやすいでしょう。
他にもこれと同じパターンになるのが「here」と「there」です、よく「Come here.」と言いませんか?
「Come to here.」とは言いませんね。これも同じ理由からです。
「here」は「ここに(へ)」という意味です。つまり「to」の意味を含んでいるのです。
ですから「Come here.」で「ここに来なさい」という意味になるのです。
正解)
「Have you ever been abroad?」
(あなたは今までに外国に行ったことがありますか)